マークされた性染色体の差別的除去により、単一株系での非遺伝子組換え雄蚊の生産が可能に
研究背景 ネッタイシマカ(*Aedes aegypti*)はデング熱やジカウイルスなどの媒介ウイルスの主要な伝播者である。現在、非吸血オス蚊の放出に基づく遺伝子制御戦略(不妊昆虫技術SITやボルバキア不適合技術IITなど)は核心的な課題に直面している:如何に効率的かつ低コストで、吸血メス蚊を含まない数百万匹のオス個体を分離するか。従来の方法は形態学的選別や遺伝子組み換えマーカーに依存しているが、効率の低さやコスト高、規制上の障壁などの問題がある。本研究はこの難題に対し、ネッタイシマカの同形性染色体(homomorphic sex chromosomes)の特性を利用し、「差異的除去マーカー性染色体」(DEMARK)という革新的な技術体系を開発した。 ネッタイシマカの性決定は1番染色体上のM/...