カルシウム活性化カリウム電流が不全心筋細胞の心室再分極に与える影響のインシリコモデリングと検証

心不全心室筋細胞におけるカルシウム活性化カリウムチャネル(SKチャネル)の再分極過程への影響――計算モデルにもとづく研究 研究の背景と学術的意義 心不全(heart failure, HF)は、心臓の電気生理学的および収縮機能が全面的に悪化する、重篤かつ一般的な心疾患である。この病的状態は、心臓のポンプ機能低下を引き起こし、身体の生理的・代謝的ニーズを満たすことができなくなるだけでなく、他の代謝性または心疾患を随伴することが多い。なかでも心房細動(atrial fibrillation, AF)は最も一般的であり、とくに射出分画低下型心不全患者に房細動が併存した場合は、死亡リスクがさらに高まることが知られている。したがって、心不全状態における心臓の電気生理特性およびその調節機構を深く理解する...