ダイナミックな中間シスゴルジ管状ネットワークを介したシロイヌナズナにおけるERからゴルジ体への輸送

学術的背景 真核細胞において、小胞体(ER)からゴルジ体(Golgi)への輸送は、分泌システムの中核となるプロセスであり、タンパク質や脂質の時空間的ソーティングを担っている。しかし、ER-ゴルジ中間区画(ERGIC)の性質や、ERGICからゴルジ体への移行を仲介する分子機構、特に異なる真核生物間での普遍性については、未解明の部分が多く残されている。植物細胞のゴルジ体は、動物細胞のゴルジ体と構造や機能において顕著な違いがあり、特にERとゴルジ体の界面においてその違いが際立っている。動物細胞ではERGICが広く研究されているが、植物細胞におけるERGICの存在と機能については依然として議論が続いている。植物細胞におけるERからゴルジ体への輸送機構をより深く理解するため、研究者たちは植物細胞のER...

シロイヌナズナの胚軸におけるCry1およびPhot1青光受容体の作用部位の分離

Cry1とPhot1青色光受容体がシロイヌナズナ下胚軸で果たす個別の作用位置 背景と研究目的 植物が発芽プロセスで土壌表層の障害を超えて光環境下で成長・光合成を始めるには、下胚軸の急速な伸長が必要となります。この過程で青色光にさらされると、Cryptochrome 1(Cry1)とPhototropin 1(Phot1)という光受容体が順番にその伸長を抑制します。しかし、これらの2つの光受容体がどの部分にどのように作用して下胚軸の伸長を抑制しているのかは十分には解明されていません。これまでの研究では、Cry1とPhot1が異なる時間的段階で下胚軸の伸長を制御していることが示されていますが、その空間的な特殊性や細胞形態の変化、さらにその制御メカニズムについてはさらなる検討が必要です。この課題を...