RPL12は保存されたリボファジー受容体である

学術的背景 リボファジー(ribophagy)は、リボソームの分解と代謝を調節する選択的なオートファジー過程です。リボソームは細胞内のタンパク質合成の中核を担う装置であり、その合成と分解は細胞が環境変化(例:栄養不足)に適応する際に極めて重要です。栄養が豊富な場合、リボソームの合成が増加し、細胞の成長と増殖を支えます。一方、栄養が不足すると、リボソームの分解が加速し、放出されたアミノ酸とヌクレオチドが細胞の生存維持に利用されます。哺乳類では、NUFIP1がリボファジーの受容体として同定されていますが、酵母や線虫ではNUFIP1のホモログが存在しないため、これらの生物では他のリボファジー受容体が存在する可能性が示唆されています。 本研究は、リボファジーの保存されたメカニズム、特に酵母、線虫、シ...