間葉系幹細胞由来の細胞外小胞に包埋されたTNF-α誘導タンパク質6の腎保護効果
一、研究背景と学術的意義 急性腎障害(acute kidney injury, AKI)は、近年世界的に発症率が上昇しており、腎機能の急性喪失を引き起こすだけでなく、慢性腎疾患(chronic kidney disease, CKD)の発症・進展と密接に関連することがますます明らかになっている。多くの疫学的・基礎研究から、AKI患者の相当数が最終的にCKDへと進展し、「AKIからCKDへの進行」という臨床的課題が形成されている。この分野の主要な研究課題としては、炎症反応、微小血管の希薄化、低酸素反応、トランスフォーミング成長因子β1(TGF-β1,transforming growth factor β1)シグナルおよび上皮-間質転換などがあり、それらは協調して腎間質線維化の進展を促し、腎間...