ウサギ誘導多能性幹細胞由来の間葉系幹細胞による創傷治癒の促進
学術的背景と研究動機 近年、幹細胞および再生医学分野は急速に発展しており、幹細胞は多分化能と自己複製能を有するため、組織修復や再生の重要な細胞ソースとなっています。数ある幹細胞の中でも、間葉系幹細胞(Mesenchymal Stem Cells, MSCs)は、動物実験や臨床研究において幅広い組織修復能力を示していることから、特に注目されています。間葉系幹細胞は骨髄、脂肪、歯髄、滑膜、臍帯など様々な動物や組織から得ることができます[2][3][4][5][6][7]。しかし、MSCsの臨床応用には主に二つの課題があります。一つは、体外で分離・増殖しても十分な高品質なMSCsを得ることが困難であり、とくにドナーの年齢が上昇するにつれてMSCの数や機能がさらに低下すること[8]。もう一つは、長期...