異常スプライシングがALS/FTDにおけるC9orf72リピート拡大のエクソン化を引き起こす

Nature Neuroscience最新研究がALS/FTD関連C9orf72病因メカニズムの新たな経路を解明 学術的背景と研究動機 筋萎縮性側索硬化症(ALS, Amyotrophic Lateral Sclerosis)と前頭側頭型認知症(FTD, Frontotemporal Dementia)は、臨床医学において最も課題の多い神経変性疾患であり、その発病機構は複雑で未だ十分に解明されていません。近年、染色体9番のオープンリーディングフレーム遺伝子C9orf72の第1イントロン領域(intron 1)における6塩基配列リピート拡大(G4C2,ggggcc)は、ALS/FTDで最も一般的な遺伝的原因の1つであることが判明しています。患者では、このリピート数が正常の12以内から数百、さら...

ハンチントン病における異常スプライシングはTDP-43活性の破壊とm6A RNA修飾の変化を伴う

ハンチントン病における異常スプライシングとTDP-43機能障害およびm6A RNA修飾の変化 学術的背景 ハンチントン病(Huntington’s disease, HD)は、常染色体優性遺伝性の神経変性疾患であり、主に運動、認知、精神症状を示します。この疾患は、HTT遺伝子内のCAGリピートの拡張によって引き起こされ、ハンチンチンタンパク質(huntingtin, HTT)中のポリグルタミンリピートの異常な拡張を引き起こします。HTT遺伝子の変異メカニズムは広く研究されていますが、HDにおけるRNAプロセシング異常のメカニズムはまだ完全には解明されていません。特に、RNAスプライシング異常がHDにおいて果たす具体的な役割はまだ完全には明らかになっていません。近年、RNA結合タンパク質(RN...