単球は粘弾性コラーゲン基質中で突出力を用いて移動経路を生成する
免疫細胞の新しい移動メカニズムを解明:単球はいかに腫瘍周囲のマトリックスを“切り開いて進む”のか 1.学術的研究背景と課題 細胞移動(cell migration)は生命活動において極めて重要な生物学的プロセスであり、胚発生、組織修復、免疫応答、また多くの疾患の進展に関わっています。腫瘍微小環境においては、特に単球(monocyte)が血中から腫瘍組織へ浸潤し、巨噬細胞へ分化することで、腫瘍進行に重要な調節的役割を果たします。しかし腫瘍組織の細胞外マトリックス(extracellular matrix, ECM)は、力学的性質(例えば剛性stiffnessや粘弾性viscoelasticity等)に際立った差異があり、腫瘍の発展とともにより緻密かつ複雑になります。 近年、多くの研究で、腫瘍周...