CXCR4の潜在的なO-結合型糖鎖修飾部位が造血幹/前駆細胞の細胞移動と骨髄ホーミングに果たす重要な役割
一、学術的背景および研究の発端 造血幹/前駆細胞(HSPCs, hematopoietic stem/progenitor cells)は、成人の血液システムの恒常性維持の基礎であり、人体は毎日数十億個の新しい血球の産生を必要とし、この過程は造血幹/前駆細胞が骨髄微小環境において自己複製と指向的分化を行うことなしには実現できません。骨髄移植(BMT, bone marrow transplantation)は、再生不良性貧血、血友病、多発性骨髄腫などの血液疾患の治療手段としてすでに広く応用されています。成功した骨髄移植のためには、HSPCsが効率的に「ホーミング」し、受容体骨髄内にしっかりと定着(engraftment)することが必要であり、これが新たな血液細胞系列の再構築につながります。 ...